この時計は「素敵な夜空」です。
この時計をつくっているときから「ブルームーン」という名前を付けたいと思っていた。
2010年の1月に「ブルームーン」が起こるといわれているから、それはあわせるべきだと思っていたんですが、なんと今年の10月になって、東海テレビの「X'masの奇跡」という番組の中のテーマが「青の月」ということを知り、なんか真似しているみたいだから「レディブルー」にしようと方向転換をしたのです。
でも、どうしても「レディ・ブルー」となると「夏」って感じになってしまい物語りをうまくつくれなかったんです。
だから、もうここはやはり当初からの予定の「ブルー・ムーン」でいこうということで決めたのがこの名前です。
TVは12月で終わると思うし、ならばいいかと。
本来ならばとくに冬の名前じゃないんですが、前にもいいましたが2010年の1月に起こる予想があるので、どうしても2009年の12月にこの時計をだしたかったんです。
ブルー・ムーンといってもわたしがイメージしたのは月そのものではなく、満月が浮かぶ美しい星空の藍です。
まぐれにもうちのスタッフが満月がガラスに映りこむイメージをつくってくれましたが、まさにそういう時計を創りたかったのです。
だからどんな色がよいかと考えているときに、この「BIB(ブルー・イン・ブルー)」の提案があったんです。
それは2008年の春くらいのことだったと思いますね。
わたしは案外天体が好きで、いままで「しし座流星群」やら「1999年のグランドクロス」やらとそのときに起こる何年かに一度という時にあわせて限定をだしてきているんですが、今年はこの「ブルー・ムーン」と「皆既日食」が候補だったんです。
でも、皆既日食ではそれこそストーリーが浮かばなかった。
以前試作した「スター・ウォーズ」のドーム型のやつに手を加えて「皆既日食」のテーマにしたものをやってもいいかなぁとは思ったんですが、どうしても真っ黒というイメージがあり、それはすでに二本創っているわけで、もうお腹いっぱいじゃないかと。。。
「ブルー・ムーン」というテーマは歌ではたくさんあるんですが「時計」ではあまりないし(スウォッチのダイバーにあります)、2010年に希望をというメッセージがとても今にあっているのではないかとも思ったのですね。
ストーリーは夏には出来ていましたが、11月になって短くしました。
当初はだいたい35行あったんですが、10行くらいにした。
いつも、ストーリーを作るときはだいたいA4で10ページくらいの物語をつくります。
人物設定もします。
名前もあります。だいたい「ケン」と「メリー」が多くなるんですが、「ジャック」もよく使います。
それをどんどん削っていき、言葉を集約します。
Once in a blue moon というテーマは決まっているわけで、特別なふたりであり、特別な日であり、「友達以上恋人未満」であることもなんとなくイメージするために「手を握る」という行為に「冷たい(つまりなかなか手を握れずに冷えたということ)」という表現をつなぎました。
2009年4月・5月voice:Nより抜粋
voice:N クリエイティブ・ディレクター石田氏による、 |