2009年冬の限定モデル(ウィンター・プレミアム)は、GSXの特別カラーである「ブルー・イン・ブルー」を纏って誕生いたしました。
1998年の「SMART」シリーズ誕生以来”90本目”のモデルです。
「ブルー・イン・ブルー(BIB)」は、GSXが今まで一度だけ生産した特別なカラーです。それと同じカラーを品質をあげて復刻しました。
深いブルーはブラックイオンプレートの加工途中の色であるため、とても塗装が難しく、パーツによる色の違いがでてしまいます。 よってできるだけ一度の生産でパーツごとに塗装を行い、かつ、パーツこどの色合いをあわせなくてはいけません。 また塗装されたパーツもケースとブレスで最も近い色のものを組み合わせていくため、あわせられないことも考えて、生産する333本よりも多くのパーツを必要とします。
時計のネーミングは「BLUE MOON」。
「ブルー・ムーン」とは月に二度訪れる満月のこと。
この満月を見た人は幸せになるといわれます。
月の満ち欠けは約29.5日の周期でくりかえされています。 ひとつきが30日あるとき、月の初めが満月ならばもう一回満月が月の終わりにやってきます。 その二回の満月を「ブルー・ムーン」というようになりました。 「ブルー・ムーン」はおおよそ3年~5年の周期で起こりますが、定期的ではなく、かつ見える地域も違います。 また、本当に「ブルー」に見える月もありますが、16世紀ごろに”月がブルーになるわけがない(馬鹿げている)”ということから「極めて希なこと」「ありえない」という意味に「月」が比喩されるようになり、、19世紀半ばに”Once in a blue moon(特別なこと)”という熟語がうまれました。
是非、この時計を腕にして、大切な人と素敵なブルームーンを一緒に見上げてください。
この時計は「素敵な夜空」です。
この時計をつくっているときから「ブルームーン」という名前を付けたいと思っていた。
2010年の1月に「ブルームーン」が起こるといわれているから、それはあわせるべきだと思っていたんですが、なんと今年の10月になって、東海テレビの「X’masの奇跡」という番組の中のテーマが「青の月」ということを知り、なんか真似しているみたいだから「レディブルー」にしようと方向転換をしたのです。
でも、どうしても「レディ・ブルー」となると「夏」って感じになってしまい物語りをうまくつくれなかったんです。 だから、もうここはやはり当初からの予定の「ブルー・ムーン」でいこうということで決めたのがこの名前です。
TVは12月で終わると思うし、ならばいいかと。 本来ならばとくに冬の名前じゃないんですが、前にもいいましたが2010年の1月に起こる予想があるので、どうしても2009年の12月にこの時計をだしたかったんです。
ブルー・ムーンといってもわたしがイメージしたのは月そのものではなく、満月が浮かぶ美しい星空の藍です。 まぐれにもうちのスタッフが満月がガラスに映りこむイメージをつくってくれましたが、まさにそういう時計を創りたかったのです。
だからどんな色がよいかと考えているときに、この「BIB(ブルー・イン・ブルー)」の提案があったんです。
それは2008年の春くらいのことだったと思いますね。 わたしは案外天体が好きで、いままで「しし座流星群」やら「1999年のグランドクロス」やらとそのときに起こる何年かに一度という時にあわせて限定をだしてきているんですが、今年はこの「ブルー・ムーン」と「皆既日食」が候補だったんです。 でも、皆既日食ではそれこそストーリーが浮かばなかった。
以前試作した「スター・ウォーズ」のドーム型のやつに手を加えて「皆既日食」のテーマにしたものをやってもいいかなぁとは思ったんですが、どうしても真っ黒というイメージがあり、それはすでに二本創っているわけで、もうお腹いっぱいじゃないかと。。。
「ブルー・ムーン」というテーマは歌ではたくさんあるんですが「時計」ではあまりないし(スウォッチのダイバーにあります)、2010年に希望をというメッセージがとても今にあっているのではないかとも思ったのですね。
ストーリーは夏には出来ていましたが、11月になって短くしました。 当初はだいたい35行あったんですが、10行くらいにした。 いつも、ストーリーを作るときはだいたいA4で10ページくらいの物語をつくります。 人物設定もします。 名前もあります。だいたい「ケン」と「メリー」が多くなるんですが、「ジャック」もよく使います。
それをどんどん削っていき、言葉を集約します。 Once in a blue moon というテーマは決まっているわけで、特別なふたりであり、特別な日であり、「友達以上恋人未満」であることもなんとなくイメージするために「手を握る」という行為に「冷たい(つまりなかなか手を握れずに冷えたということ)」という表現をつなぎました。
大枠のイメージはユーミンの「埠頭を渡る風」。本当にオフィスでこれをがんがんかけていました(スタッフも知っていると思いますが。。。)。 夜になるとユーミン。11月はアニメソングをかけてました。
とにかく「BIB」の作品はまたやれるとは到底思っていなかった。 とにかく大変な作業となるからです。 前回は515本たしかつくったのですが、そのために一部で不良がでてしまった。
今回は品質をあげて、かつ、時間をかけて、かつ、生産は333本以下で出来る限りとすることにしました。 クリスマス限定という形ではなくウィンタープレミアムという形で冬の間でつくります。
なんでそんなに大変なのかというと、まず黒のような真っ黒にすればよい色ではないので作るたびに色が微妙に変わってしまう点。 それがパーツごとに工場が違うために、そのパーツごとにも違ってしまう点。 さらにそのパーツを組み合わせてひとつのものを作る点。 333本のためにはその何倍かのパーツを用意しないといけないわけです。
もちろんいくつかのブランドでいままでブルーIPがなかったわけではありません。 しかしそれらは、ブレスとケースカラーが一致していなかったり、レザーストラップモデルであったり、異素材にすることである意味バランスをとっていたりしたもので、ケース、パーツ、ブレスが同一素材にて、色合いを極限まであわせたものはありません。
それはほぼ手作業だからこそ可能でもあるわけです。 かつ、本数も少ないからこそできます。 本数が少なければ、もちろん単価は高くなってしまいます。
それを今回はかなりがんばった価格に抑えているのも特別な点だと思います。 それに、今回は昔のロゴをリューズの頭に復刻させました。 そんな時計です。
みなさんも是非、「ブルー・ムーン」を浮かべる(ガラスに)「素敵な夜空」を腕にしてください。
そして、大切な人と星空の草原へ 「幸せの青い月」を捕まえにいきましょう!!!
※発売当時談