次世代型ケースに自動巻きムーブメントを搭載し登場。
リューズ、ブレスレットセンターにローレット加工を施し、スポーティー感を演出。
カジュアルにもスーツにも合うデザインとなっています。
GSX904の意匠で初めて採用されたクリアーダイヤルはその美しく磨き上げられたムーブメントとテンプのハートビートが楽しめます。
また、裏蓋はシースルーケースバックを採用しており、裏側からも機械の動きが見ることが出来ます。
ケース・ブレスレットにブラックIP加工とグレーのハーフクリアーの文字盤を装着しつつも、テンプ部分のみクリアーとしアクティブな印象を演出しています。
市販の20mmのストラップの取り付けが可能。
デザイン・コンセプト
SMART AUTOMATICシリーズの新作GSX 221&222は、XXシリーズの硬派版として企画され、村田モデルと同時期にデザインをスタートした。
村田モデルは質感からデザインのトレンドまでをスマートと違った角度で作ったモデルだ。
それはいわゆる「楽しいアート」から本格的な「造型としてのアート」への変革だった。
これは、「楽しいアート」路線を止めるのではなく、「200」シリーズの新たな挑戦のスタートだった。
1998年より始まったSMARTは、10周年を迎えようとしている。
SMARTシリーズは、「JUS02」、「キューブリック」、「森山大道」といった「本格的なアート」作品をリリースしてきた。
この流れで「村田蓮爾」モデルは企画された。このモデルのケースは「もうひとつのSMART」の定番となっていく事を当初より想定していた。
昔からの「SMART」のファンにとっては、この新しい路線は、「SMART」ではないかもしれないし、また新しいファンにとっては「スタイリッシュ」に見えるかもしれない。
全く異なるモノにしたかったので、両者は極端に仕上げや、素材感を変化させた。
「蓮爾」モデルとGSX221、222は、GSX1999からの番号ではじまるボラード グランドコンプリケーションの素材感を感じさせる。
旧来のスマートは「鉄のぬくもり」をテーマにしたものであったけど、この「蓮爾」モデルや新型は「鉄っぽさ」をテーマにした。
言い換えれば、「痛い」感じのデザインである。
旧スマートのコンセプトは、身近な素材としての「鉄」と、楽しい「デザイン」という視覚的な方向性だった。
新型は、ボラードと同じ「鉄」のひんやり感、凛とした感じや、手にしたときの「金属感」という「感触」を大事にした。
現代の「格好良さ」を追及したモデルである。
10年前はちょっと楽しいエッセンスがあるものが格好良くて、センスがある感じだったけど、今は格好良さの基準が当時と違うと思う。
ヒーローじゃないが、融合していくような感じがほしかった。
このテーマは、GSX900や500で実践済みだが、両者のデザイン・コンセプトは流線型をベースにした軟体動物の世界観であるのに対し、
スマートの新型は「生物感」「生命感」を消したもので、それが「現代の格好良さ」と考えた。
新SMARTの方向性
GSX200シリーズでありながら、別に名称をもつ「SMART」。
スマートの名前の意味は、「シンプル」「マテリアル」そして「アート」の頭文字を並べたもので、また、スマート本来の意味である「頭の回転がいい」「格好いい振る舞い」の意味をもつ。
新型で、あえて波状の針も、丸いロゴマークもなくしたのは同じ名前のつくブランドでありながら、それは継続シリーズではない、いわゆる「シンプル」「マテリアル」というテーマは同じであるが
「アート」の方向性が「視覚的」か「感触」という別のテーマを持つという意思表示をしている。
「視覚的」スマートさが、たとえば着こなしだったり、お洒落なメガネだったり、もしくは部屋のインテリアであったりというものであれば、「感触的」スマートさとは、目にしなくてもわかる
「香り」であったり、手をつないだときの「やさしい感覚」だったり、いわゆる「言葉より語るもの」という事だ。
新型スマートは「言葉より語るもの」。
腕にして街を歩いたとき、素敵な使い心地と適度な重さ、見られている事の気持ち良さを大切に考えた。
スマートいう言葉
最近、巷では「スマート」という言葉が氾濫しているが、使い方がめちゃくちゃなものがほとんどだ。
スマートという名称を僕が1998年につけたときには「スマート」という名称のモノは皆無だった。
一号機種は(当時では)「分厚い」時計で、どこがスマートなのかと言われた。
だが、「スマート」の意味は「細い」ことでもないし、「スタイルがいい」人の事をいうのでもない。
それらは元々、和製英語で、日本人が間違った使い方をしてきたものだ。
外人に「君はスマートだ」と、スタイルがいいという意味で使っても、いい反応はしない。
「スマート」には、もともと「頭の回転がいい」という意味や「振る舞いが格好いい」という意味があり、また、いやみな言い方として「ずるがしこい」という意味もあるのである。
スタイルがいいという言葉は「スタイリッシュ」というし、細いことは「スレンダー」という。
だから、「小さいこと」「細いこと」を「スマート」とは呼べないのである。
だから、GSX「スマート」は別に「スタイリッシュ」であるとか、「形」で「スマート」という名称を付けたのじゃない。
言葉の元々の意味は、もちろん時計にも込められているのだが、実は使う本人にそうあってほしいという意味を込め、そんな人に使ってほしいという意味を込めた名称なのだ。
歩きタバコはしないとか、紳士的な振る舞いをする人とか、レディをイメージさせる知的な人だとか、アートをこよなく愛するカッコウいい人だとか、そういう行いを出来る人。
人は生きているが、世界では人と交わっていくのだから、常に人から見られていることに気をつけて生きて生きたい。
それは格好良く生きること。そんな人を「スマート」だと考えている。
価格について
「村田蓮爾」モデルと同じレベルで造られた、GSX221、222の税抜き38,000円、43,000円という価格は戦略プライスだ。
通常なら5万円台のモデルです。来年には、おそらく、その価格になります。
GSXでは、初回生産分は常に価格設定を下げている。
これは早く買ってくれた方に対するお礼の気持ちもこめている。
「村田蓮爾」モデルなどのコラボレートものは価格変更が無いので、通常価格を最初から付けている。
日本の時計産業は基本的に価格の変更をしないのが普通。
一度出したモデルの価格は変わらない。日本の商品は短命だったので、その必要性もなかった。
しかし、GSXの場合は同じモデルが10年間販売される事もある。海外と同じ考え方だ。だから、価格の変更もあった。
しかし、それとは別に通常の価格設定より低く、約一年間は販売をしている。
ある程度落ち着いた時点で価格を戻している。つまりこのスマートの新型の定価は本来5万円を超えている。
だからこの質感と感触で、この価格は破格なのだということをまずは頭に入れてから「スマート」を嗜んでほしいなと思うわけです。
※発売当時談