GSX905BTS
伝説のカラーリング=BTSカラーは、Blue in Blackを基調としています。
本体やブレスレットは、通常モデル(GSX905BBK)では、艶消しの ブラック・イオンプレーティング加工が施されています。BTSモデルでは、あえてこの 黒IP加工を鏡面に仕上げています。
これは、色むらや傷が目立ちやすく、リスクを回避 する為に大きなメーカーでは極力避けられている技法です。あえてGSXでは、この困難なカラーリングにチャレンジし続けます。
文字盤のブルーはサマーズ・ビートと名付けられた、特別な紺碧色です。
日本の職人技が生み出した、この特別な『ブルー』と黒IPとのコンビネーションは、様々な
伝説を創り上げてきましたが、今回もたった200名の選ばれしオーナーの腕にのみ輝きます。
ベゼルもこのモデルの為、特別に漆黒のものを用意しました。
BTSモデル史上、最大クラスのサイズであり、圧倒的な存在感を誇ります。
GSX905BTSが登場しましたが、「BTS」ってなにという人もいるでしょう。
BTSのシリーズは「黒と青」のカラーリングで構成される限定シリーズで、
「BLUE IN BLACK」という別名がついています。
でも、なぜ「BTS」というかというと、 「BTS」とは、
「ベスト・タイムギア・ステーション(Best Time Station)」の略で、
その昔、いまから12年前(※発売時)に存在した当社の「カジュアルウォッチ部門」の 「店舗名称」でありました。
当社の「BTS」は、「ベスト新宿本店2階、3階」「福岡三越」「名古屋近鉄」
「ベスト新宿EAST」「恵比寿三越」「松山三越」「池袋東武」「渋谷パルコクアトロ」などで
店舗展開をしていました。
いずれも「Gショック」「フォッシル」「ゲス」などを中心にした 「カジュァルウォッチ」の専門店です。
現在では、「BTS」は「イオン名古屋熱田店」(現在は閉店)だけとなっていますが、
その特異性は形を変えて、たとえば「GSX STORE銀座」(現在はISHIDA表参道へ移転)
「GSX STOREチッタデラ川崎(現在は閉店)」というGSXの専門店となったり、
また、これから展開される「ISHIDA表参道」の中のGショックコーナー「EDDE」などに
変化しているわけです。
BTSとは、そんなわたしたちの時計屋のロゴのカラーリングを時計にしたものです。
当時はまだ、GSXが全国展開をしていなかったので、
お店の開店にあわせて「BTS」シリーズを発売していました。
ですから最初の数本は、すべて「店舗名」がモデル名でもありました。
たとえばBTSの4号店である「池袋東武」の開店記念モデルは、
「BTS4 IKEBUKURO TOBU」という名称だったのです。
しかし、GSXが全国展開へと向かった1996年ごろから、
このような「内輪的」な戦略は次第になくなりました。
よって現在では「BLUE IN BLACK」というシリーズ名称で統一されていています。
現在では「BTS」という呼称はモデル番号の中に残っているだけとなっています。
「BTS」のカラーは「漆黒」と「サマーズビート」という深いブルーで構成されています。
一部、ブルーグリーンや紺などを利用しているモデルもありますが、
必ずブルーは「サマーズビート」というブルーの利用を徹底しています。
「サマーズビート」とは、米国の避暑地(島)「マーサズ・ヴィニヤード」からイメージしたカラーです。
この島は大統領の避暑地でも有名で、多くのセレブが訪れる島です。
サマーズビートのブルーは、まさにそんなセレブリティに相応しい、美しくて、人の目を集めるカラーです。
このブルーのカラーは、黒い外見と融合する条件であると言えます。
「サマーズビート」はただ「色」を塗っただけのカラーではありません。
この美しいブルーを作り出すためには条件があります。
それは、「ガラスの厚さ、色、材質、面積」「ケースの黒い部分との関係」です。
すべての「BTS(BLUE IN BLACK」シリーズの文字盤は「同じ青」ではありません。
時計の形状から、ブルーの色を算出して、ガラスに色をつけ、
また、 厚さを調整し「サマーズビート」の色を創りあげるのです。
つまり、目に見える色は、文字盤の色だけでは創り出せ得ないということです。
それが「サマーズビート」というわたしたちの特別なネーミングの意味でもあります。
もしガラスをとって文字盤だけを見たのであれば、その違いに驚くことでしょう。
そしてそれが、他社がつくれない秘密があります。
905BTSは当初、ベゼル部分の数字は白、針はシルバーとなっていました。
しかしながら、ベゼルを白くすると安っぽく見えたので黒にし、
針は視認性が悪かったため白になりました。
また、スーパールミノヴァはそれほどきつくなっていません。
900シリーズはすべて針のルミノヴァなどは控えめです。
これは明るくすることではなく、洗練された金属感をテーマとしているからです。
針などに厚塗りをしたり、文字盤のアワーマークに厚塗りをすると
どうしても「カジュアル感」が強くなっていきます。
900シリーズが発売された1998年はまだオートマティックに大人のカジュアルは少なく、
よって、その金属感と生命感を時計にデザインしてきました。
その後、パネライの人気などから「蓄光」によりより明るく視認性を高めるという
ミッション系が流行しましたが、その際も900シリーズは
かたくなにデザインによる優美さと感性を打ち出してきました。
よって夜光や蓄光をより目立たせていくことは回避してきました。
そしてそのデザインの方向性は10年たった現在もぶれることなく継続しています。
暗がりでほんのりと見える程度の控えめな美しさが、900系の流麗な凛とした美しさだと思っています。
裏ブタはまるで「銀河鉄道999」の内部のような感じにしています。
何かの造形をモチーフにしたわけではありませんが、未来的な生物感をつくり出そうとしました。
また、バックルは厚い塗装により、黒光りしています。
さらに、バックルひとつにも「光らせるところ」と「マット仕上げ」にするところ」の
コントラストを大切にしています。
とくにBTSのケース仕上げは、美しさと流麗さを大切にしています。
905ラインは、ブレスが可動式であるため、はめやすさも追及しています。
最後に、このBTSシリーズは、「同一モデル番号では一度だけしかつくらない」というポリシーがあります。
つまり905ラインでは一度だけの限定生産です。
本数も300本前後としています。
そのポリシーはこれからも変わりません。
生産本数に関しては、200本は決して少ない数ではありません。
しかし、このBTSモデルやEVEモデルは、
発売と同時に完売となる、大変人気の高いコレクションのひとつです。
たとえば世界に1個でも、欲しい人が0ならば、それはレアでもなんでもありません。
逆に1万個あっても欲しい人が5万人いるならばそれは大量にあってもレアであり、入手しづらいことになります。
そういう意味では、BTSモデルでの200本は、かなりレアな限定生産であるといっていいでしょう。※発売時談