『社内通称:Japan』
一貫してJAPAN MADEに拘ってきたGSX WATCH。その解答がこのモデルにはある。
日本人独特の繊細な美意識と世界の様々なジャンルで活躍する日本人の誇り。その想いを詰め込みこのモデルは創られました。
[デザイン]
ベーシックなSMARTシリーズをベースに日本人の“和”“感性”をデザイン・イメージしたワールドワイドなモデル!
世界の中の日本を表現する為、文字盤にはGSX流のワールドマップをお洒落に表現。
その文字盤に展開する立体的なワールドマップは薄いグレートーンで表現し、主張するようにレッドプリントされた日本がほぼ中心位置になるように配置されています。
さらにGSX流に遊びの要素としてホワイトベースにレッドを所々に配し日本のイメージをさりげなく表現しています。
・12時位置、ガラスにプリントされたSMARTロゴ
・文字盤の中心部付近の日本を配置
・6時位置の「JAPAN」のワードをプリント。
※あえてJAPAN MADEとは記していません。
・リュウズトップ
・裏蓋
[個性的な作動]
クオーツムーブメントでありながら秒針の運針はまるでオートマチックムーブメントのように滑らかに動作しています。
その滑らかな秒針の動きに呼応するように12時位置に配置された『日の出』、『日の入り』をイメージした赤い丸が一分間に3回、やはり滑らかに満ち欠けします。
その動作はこの時計の時間を眺めているだけで楽しくなります。
※12時位置の赤い●の満ち欠けはデザイン上の動作です。機能はありません。
新作のスマートは、あのJUS02を彷彿させるもの。
JUS02はストリート系、いわゆる裏原宿のデザイナー「カッツ平野」がデザインしたもので、Tシャツ感覚でデザインをした。
本当はダメージっぽくやりたかったけど、自分たちでダメージをつけないとできないということで、当時はやめた。
時計は緑は売れないという定説があって、やっぱり売れなかった。
確か200本くらい作ったけど、ぜんぜん売れなかったよね。
というか、スマートもまだまだぜんぜん知名度なくて、当時の人気はGSX500シリーズと300シリーズで、700シリーズが売り切れてたという感じだったから、はっきりいってデジタル人気だったんです。
300もデジタルだからね。
ちなみにデジタルって、液晶という意味じゃなくて、数字で現すものをいい、アナログとは、数値を別の単位や別の分量で現すことをいう。
たとえば棒線のグラフとか、円グラフとかはアナログ。
たとえば試合の得点を表示する点数盤はデジタル。
だから体育館にある、バレーボールとかのペラペラめくるあれはデジタルなわけ。で、300はディスクデジタルというシステムのデジタルなのです。
そんな当時にただの三針でしかもグリーンじゃ、本当に苦労したものだよ。
しかもケースのカラーもちょっと黒より薄いガングレイで、かつガラスにもデザインいれていて、かつ、バックルもすべて特別なので、ほかのものに作り変えることできないし。
そんなモデルだったけど、人気が高くなるにつれて、なくなってしまい、いまや レアの筆頭 のようなご身分となっている。そのイメージのカラーをと考えたのが、VIRUSモデル。
あれもちょっと自信なかったんだけど、思った以上の好評で、やっと全部できて、最終納品を5月に行った。
VIRUSはイメージ的なカラーとJUS02のときのような新しい試みというものだったが、今回のno,58は実はいくつものバリエーションを考えて、その中から全部のいいとこどりをして作ったものだ。
なんでVIRUSの話を出したかというと、実はこのno,58には、MAP部分がすべて蓄光式のルミノヴァを使った試作があって、それをやろうと思ったのは、なにを隠そう、VIRUSの成功だったわけです。
しかし、今回はそのルミノヴァはあえてやめて、JUS02のベーシックに戻ろうということになった。
このMAPは実は没ネタになっていたもので、急遽、復活したものだ。
2004年の4月から、昨年の8月のアテネオリンピックの頃にだしたいと思って、猛スピードでやってきたが、8月に間に合わないということで挫折してしまったんだな。僕は。急激にさめてしまった、彼は没寸前にあったわけです。
昨年末、オークションにJUS02がでていて、なんと8万円で落札された。
その後、香港のほうで10万円(日本円で)で落札されたりと、「なんで?」という驚きがあった。
うちの広報のトップが、実はコレ使っていて、「お前、それ、お客様でほしい人いるから売れよ」っていったりしたんだけど、本当に周りにもっている人、いない事実に気がついた。
そこで、この没ネタが復活した。
もちろんno,58とJUS02はまったくテイストが違う。
だって、JUS02は、本当にカッツ平野と話して、デザインテイストでテーマにしたのはスター・ウォーズの「ボバ・フェット」や、「猿の惑星」の昔の感覚の未来感なんで、どちらかというと、70’sな感じなわけですよ。
それに比べて、no,58は、今をベースにした、なんとなく未来感なんですね。
MAPをやらなかったのは、セイコーのアニエスbのまねっぽいなと思ったから。でも、実はMAPはGSXのJUS02が先。しかも2年も。
no,58の話にうつると、特徴は「ファイブビートムーブメント」「12時位置のモニュメント」「ケースバックのレッドプリント」です。「ファイブビートムーブメント」とは、一秒を5分割で運針する、いわゆる、10振動のオートマティックに近い動きを実現した「クォーツ」で、針の動きを見るとまさに自動巻き。 「ポール・スミス」ウォッチで人気のムーブメントをお借りしたわけです。
「12時位置のモニュメント」はこれは本当に自分もびっくりした。
というのは、●の位置が「日の丸」になったりするんだけど、あえてここは、僕は指定で、一分間に三回だけ赤くなるように、つまり0、20、40秒に赤くなるように設定したんだが、動いているのを見ると、めちゃくちゃ感動した。
よくある、なんかただ赤いのがフラーと動くのと違って、あえて赤い部分を長くして、白くなる瞬間を5秒程度にしたわけです。すると、赤くなっている部分が、トトトトトンと白くなる。言葉で表現するのは難しいから見てほしいのだけど、つまり、まったくものは違うけど、感覚的には飛行場のフライトインフォメーションのペラペラとめくれていくアレみたいな感覚かな。
できたらサイトでその動きを再現してみようと思う。
「レッドプリント」は、裏のケースにいれた赤いインクのこと。
これ本当に大変なんですよね。実は。
ということで、すごくきれいで使いやすくて、面白いモデルになっています。GSXの本流ということだろうな。
雑誌の世界では最近コラボレートが多々取り上げられているが、本当のGSXはやはり、こういうベーシック。
GSXのファンにはやはりお勧めしたいモデルとなっている。
※発売当時談